食後30分以内の歯磨きについて

                 H25年12月11日 食後30分以内の歯磨きについて 

 保育所・幼稚園、学校では、昼食後はなるべく早く歯みがきをしましょうと指導していま す。これは、むし歯を予防する目的で歯垢(プラーク)と口の中に残る食べかすを早く取り 除くためです。

 ところが、最近になって、食後すぐに歯をみがくと、あたかも歯が削れてしまう(溶けて しまう)というような報道が新聞やテレビで伝えられています。  これらの報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間 浸した後、口の中にもどし、30分経たずに歯みがきをすると、象牙質の腐食が確認された。 30分から1時間経過してから歯みがきするとほとんど腐食が見られなかった。という論文で す。しかし、これは象牙質への酸の浸透を調べた、むし歯とは異なる「酸蝕症」の実験によ る見解です。  実際の人の口の中では、歯の表面は実験で用いられた象牙質ではなく、酸に対する抵抗性 がより高いエナメル質によって被われています。さらに唾液には酸を中和する働きがあり、 歯の表面(エナメル質)は唾液で潤っています。 したがって、このような酸性飲料を飲んだとしても、エナメル質への酸の浸透は象牙質よ りずっと少なく、酸性飲料の頻繁な摂取がないかぎり、すぐには歯が溶けないように防御機 能が働いています。つまり、一般的な食事ではこのような酸蝕症は起こりにくいと考えられ ます。  食後、歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖 質が分解され、酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まり、その まま放置するとむし歯へと進行してしまいます。このように、歯垢 中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物 が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。 結論としては、通常の食事の時は早めに歯みがきをして、歯垢とその中の細菌を取り除い て脱灰を防ぐことの方が重要です。学校での昼食後の歯みがきも、今まで通り推奨致します。  ※日本口腔衛生学会自由集会では、「食後30分間、ブラッシングを避ける」は、正確性に 欠ける表現であり、「酸性飲食物摂取直後のブラッシングは避ける」、すなわち、酸性飲食 物の摂取によって生ずる酸蝕症に限定して適応されるとの訂正がありました。

                       一般社団法人習志野市歯科医師会 学校歯科委員会

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